Jazz platz ジャズプラッツ

ジャズプラッツでライブを楽しみませんか



あいにくのお天気ですね。
明日も雨で冷えるようです。暖かくしてお越しくださいね。
ルヴェソンヴェールは申し分のないレストランですが、首都大学東京の国際交流会館内にあり、空調は大学の中央管理です。
レストラン内が冷えてきても、ここだけ温度を上げてはくれません。
レストランがひざ掛けを用意していますが、今回はお客様が多くて、全員に行き届くかどうか?
どうぞ暖かくして、一枚羽織るものをご用意ください。邪魔になればコート掛けも用意されていますので。
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黒田さんも多彩な音楽活動をしています。
スタートはジャズのジャンルで、今や日本のフリージャズを代表する坂田明さんのグループなどで演奏していましたが、音楽のとらえ方がユニークです。ウェブサイトに書かれたご本人の言葉を借りると
「音楽は時間軸に沿って創り上げられますが、私の場合、音楽活動を始めた頃から、なぜか音楽を空間的に、場として、とらえるところがあったようです。」

したがって早くから、ジャンルを超えて、開かれた音楽の場作りを始め、詩の朗読とのコラボや、トランクシアターという演劇集団の音楽監督、劇中演奏を担当し、無声映画に音楽を付ける企画にも参加しています。

黒田さんも多くのミュージシャンに呼ばれてCDの録音に参加したり、太田惠資(vn)、翠川敬基(vc)のメンバーで「黒田京子トリオ」を組み、アルバム「ホルトノキ」をリリースしています。けれど、自分がリーダーになって自分の音楽を演奏しようという意欲より、音楽家に限らず様々なアーティストを呼んでつながり、人をつなげて音楽の場を膨らませようとする気持が強いのかなと思います。そんな懐の深さを感じます。

黒田さんの主な活動の一つに、2006年に立ち上げた「オルト・ミュージック(Ort Music)」があります。「”場”を創り、“音楽”を届け、そして”人”とつながりたい」というご本人の言葉です。Ortはドイツ語で「場所」という意味です。オルト・ミュージックは「音楽の場」というイメージです。横道にそれますが、ジャズプラッツの「Platz」もドイツ語で「場所」という意味です。スペースとか座席の意味もあります。Ortはもう少し広がりのあるイメージで、町村、地方という意味もあります。

オルト・ミュージックで、黒田さんはコンサートの企画をしています。2006年から門前仲町にある門天ホールで様々な音楽家を招いてピアノとのデュオを開催しています。ボーカルあり、管楽器、弦楽器やドラムとのデュオあり、詩の朗読とのコラボあり、昨年と今年は新たにピアノ二台のデュオを始め、多彩な音楽空間を創出してきました。裏方の面倒な仕事も引き受け、当日はもちろんピアノの演奏もします。この活動の間には、門前仲町のホールが閉館に追い込まれ、新たな場所に移転して両国門天ホールとして再出発するという大きな変化がありましたが、その間も関わり、支援し、新しいホールでコンサートを続けています。単なる演奏家にとどまらない、エネルギーあふれた活動です。

最近の黒田さんはジャズボーカリストとのコラボは多いけれど、ジャズトリオやカルテットでの演奏がほとんどないと思っていたところ、9月に坂田明トリオで3週間の北海道ツアーに参加しています。最後は東京だったのでこのトリオを聞きに行きました。

サックスの坂田明と言えば、日本のフリージャズを世界に発信して評価され、外国人との演奏も多い人ですが、黒田さんがデビューしたころからのお付き合いなので、久しぶりの共演でも息はぴったり。坂田さんが特有のノンストップ、超高速で強力に吹き上げると、黒田さんのピアノも強いタッチで指を乱舞させながら、坂田さんの音に呼応していました。すさまじいというか、鬼気を帯びるというべきか、そんな迫力でした。バラードになると、ピアノでこんな優しい音が出るのかと聞きほれるほど、音色が変わります。黒田さんのやわらかで繊細なだけでない、強靭な感性を感じました。

坂田明、黒田京子、水谷浩章(B)のトリオは魂をぶつけ合うような演奏で、聞き手の体内の根源的な何かが揺さぶられるような音楽でした。いつかお呼びしたいと思います。

喜多直毅&黒田京子デュオでは鬼気は迫ってきませんから、どうぞご安心を(笑)。オリジナル曲、もしかするとロシア民謡、昭和歌謡曲もあるかもしれない多様さで、別の意味で迫力があり、様々な感情を想起させてくれる音楽です。
いよいよライブが来週に迫りました。何しろ、詰めれば百人入るレストランですから、まだお席はあります。
お時間のある方は誘い合わせてお越しください。素晴らしい音楽をご一緒に楽しみましょう。ご予約はルヴェソンヴェール(042-677-3301)にお電話をくださるか、このサイトのメールフォームからお願いいたします。
  


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写真(Mizuho Fukahori)

喜多さんを紹介するには、喜多さんのウェブサイトをご覧くださいというのが一番良いと思います。(https://www.naoki-kita.com/)ブログでは自分をオープンに語ることを厭わない誠実さがあり、文章力もあり、近況も細やかに語られています。自己紹介のところでは、経歴のまとめ方に構成力があり、自分を客観視しながら思考しているので自画自賛に終わらず、的確な説明になっています。喜多直毅を余すところなく表現しています。

喜多さんは多彩な活動をしていますが、2011年に結成した喜多直毅クアルテット(この表記法は喜多さんの表現に従っています)が中核になるのかなと思います。バンドネオンの北村聡、ピアノの三枝伸太郎、コントラバスの田辺和弘というタンゴの名手たちがメンバーで、楽器編成から見るとタンゴ四重奏団ですが、喜多さんのオリジナル曲ばかりを演奏するクアルテットです。喜多さんの体にしみ込んだタンゴ、フリージャズ、即興演奏、現代音楽など、ジャンルを融合して発現されるオリジナル曲です。

2014年に「Winter in a Vision」を発売し、今年5月に「Winter in a Vision 2」をリリースして好評を得たこのクアルテットの公演スタイルは独特です。タイトルは「無慚―沈黙と咆哮の音楽ドラマ」。リリース記念コンサートはいずれも、メンバーは全員黒服、舞台の照明を落とし、途中休憩なし、MCなし、アンコールなし、2部なし、で喜多さんのオリジナル曲をひたすら連続演奏するという構成です。いわば演奏者にも聞き手にも濃密な集中力を強要する演出です。オーディエンスは集中したなかで音楽に囚われ、そこから生まれる想念にゆすぶられる、まさに「音楽ドラマ」ですね。

今年の喜多さんは朗読とのコラボが立て続けにありました。元NHKアナウンサー青木裕子さんによる高樹のぶ子作品の朗読とのコラボ。女優の森都のりさんによる宮沢賢治の「セロ弾きゴーシュ」の朗読とのコラボ、女優の長浜奈津子さんによる坂口安吾や永井荷風の作品の朗読とのコラボなど。喜多さんは小説を読み込んで、その作品を丁寧にブログで説明しています。朗読の声と音楽で、小説の世界を一つのシーンとして立ち上げる楽しさが言葉に滲んでいます。

2年前に喜多さんの演奏を初めて聞いたとき、演奏する姿、曲に込めた情感の表し方に、ドラマ性を含んだ演奏という印象を受けて新鮮でした。喜多さんのヴァイオリンはなめらかな音ではなく、エッジの効いた、ノイズも混じる音で、場の緊張感を高めます。喜多さんの特質はソロの即興演奏によく表れていると思います。特に2016年にドイツのデュッセルドルフで独奏した映像はまさに喜多直毅の世界で、単なる喜多直毅の音楽の世界にとどまっていないように思えます(https://www.youtube.com/watch?v=LAOKvzCNpyI)
私の個人的な考えですが、喜多さんを表現するには「音楽家」または「演奏者」にとどまらない「表現者」という言葉のほうがふさわしいのではないかと思います。

自己表現しようとするエネルギーに充ちていて、それが言葉にもあふれています。音楽においても、「自分の求める音楽とは何か」のなかに「音としてだけでなく、作曲した作品をいかに表現するか」も含まれていて、音楽に対するイメージや情念を効果的に表現することを模索するエネルギーになっています。傍から見れば、「演出」に見えるかもしれませんが、喜多さんにとっては、音楽空間をも総合した演奏の在り方こそ自分の音楽の世界だ、と感じているのかもしれません。

9月も今日で終わりです。喜多直毅&黒田京子のデュオライブまで、もう二週間となりました。
お二人の息の合った演奏をぜひお楽しみください。
ご予約はルヴェソンヴェール(042-677-3301)にどうぞ。
このサイトのメールフォームからも受け付けておりますので、よろしくお願いいたします。





喜多直毅さんと黒田京子さんはもう10年以上デュオで演奏を続けています。初めて共演したのが2002年秋で、それが縁の始まりでした。喜多さんと黒田さんには音楽で結びつく強い縁があったように思います。

このころ黒田さんはデュオ、ソロ、坂田明(as,cl)バンドでのツアー、音楽と朗読、劇団の音楽監督など、忙しく充実した活動をしていました。

一方喜多さんは国立音楽大学を卒業後イギリスへ留学し、3年間作曲・編曲を学び、さらにアルゼンチンに渡ってタンゴの奏法を学んで帰国し、華麗な技巧を駆使する新進タンゴ奏者として活動が波に乗り始めたころです。バンドネオンの小松亮太との共演、自分の楽曲を演奏するリーダーユニットなど、タンゴを中心とした華々しい活動の中で、喜多さんの音楽に対する思いに変化が生じる時期でもありました。

つまり、「自分にとってのタンゴとは何か」という問いから「自分にとっての音楽とは何か」に変わっていき、自分の中で鳴っている音楽、自分しか表現できない音楽を求めるようになったそうです。2008年のインタビュー記事で、喜多さんは
「そう思う様になったのは、ピアニストの黒田京子さんやヴァイオリニストの太田恵資さんとの出会いが切っ掛けでした」と語っています。

二人のファーストアルバム「空に吸はれし心」が発売された2008年のインタビューで、「僕の曲を演奏する場合、黒田さんと一緒にやっていると、他の演奏家と演奏する必要性を全く感じないのですよ。もう『全て分かってらっしゃる!』って感じ。それは絶大な信頼感があっての事なのですが、そういう関係性も今回のアルバムには音として録音されているのではないかと思います」と語っています。

黒田さんは活動の初期から自分の音楽を求めていたように見受けます。詳しくは黒田さんの紹介記事に回すとして、喜多さんと黒田さんの、音楽を突き詰め、ジャンルを超えた可能性を求める志向は、デュオを始めてさらに深く、また広くなり、二人で同じ方向を目指しながら、それぞれの個性を発揮するという理想的な形に出来上がっているように見えます。このデュオについて、「喜多さんはどこまでも喜多さん、私もまたどこまでも私、で音楽をお届けします」という黒田さんの言葉が、その真髄を表しています。

二人に共通するのは、音楽における雄弁さ、文章における雄弁さ、ではないかと思います。デュオではそれぞれのオリジナル曲のほか、映画音楽、シャンソンなどを演奏します。聞く人になじみのあるメロディーを美しく演奏するのではありません。映画音楽ならば映画のテーマ、ストーリーや心理、歌ならばその歌詞や背景の奥底に流れるものに耳をすまし、感じ取り、解釈して、独自の音楽で表す、それは雄弁な自己表現と言えるのではないでしょうか。喜多さんの言葉を借りれば、「覚悟を決めて一曲一曲に体当たりしなければならない」ということのようです。

文章における雄弁さは、それぞれのウェブサイトをご覧ください。二人とも潔いほどの率直さで自己を語っています。特に黒田さんには、「語り尽くそうとする意思」が無意識の中に潜んでいるのかも。黒田さんの音楽人生が見えると思えるほど、多くの事が詳しく語られています。

でも、ライブで語るときは、二人ともまったく違った雰囲気で、雄弁というのは見当違いも甚だしいという感じ。空気をピンと引き締める演奏が終わったとたんに見せる素の雰囲気と、普段着のような語り口のギャップが、二人をなんとも魅力的に感じさせます。

10月14日のライブでは、それぞれのオリジナル曲、映画音楽、シャンソン、昭和歌謡などが演奏されます。が、最後に喜多さんのブログでのコメントを書き添えます。
「ヴァイオリンとピアノによる演奏、有名な曲…と言うとイージーリスニングかとお思いになる方もおられるでしょうか?
いえいえ、牙もあります、毒もあります、痛みも絶叫も狂気もあるのです。」

予約を開始いたします。
お時間のある方は是非、名曲を通して二人が創り出す音楽の世界をお楽しみください。
ルヴェソンヴェール(042-677-3301)へお電話をどうぞ!
このサイトのメールフォームからも受け付けますので、よろしくお願いいたします。


これから真夏を迎えるのに、少々早いかもしれませんが、少しでも秋風を想像していただくために・・・
次回は久々にデュオです。それも、濃密なデュオです。予定表に書き入れてくださるとうれしいです。

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