FC2ブログ

Jazz platz ジャズプラッツ

ジャズプラッツでライブを楽しみませんか



西口さんに来ていただいたのは3年前の2016年6月で、須川崇志さんと石若駿さんとのトリオでした。この3人は2015年に結成されたMichel Reis Japan Quartetのメンバーなのですが、トリオで来ていただいたわけです。

このジャパン・カルテットはバークリー音楽大学の同窓生であるレイス・西口・須川の3人に年下の石若さんが加わってできたカルテットです。2017年には国内ツアーだけでなく、レイスさんの国ルクセンブルクのジャズフェスティバルに出演して注目を浴び、翌年の出演が即座に決まったというグループです。2018年にはアルバム「Michel Reis Japan Quartet」をリリースし、ルクセンブルクのジャズフェスティバルの後ドイツを回っています。今後も一層活躍するグループですね。

ベースの須川さん、ドラムの石若さんはリズム隊としてベテランミュージシャンのバンドにも呼ばれて忙しそうですが、フロントを務めるサックスの西口さんは同年代のジャズマンと組んで演奏するほうが多いように見受けます。

2017年にもう一つ話題になったのがメガプテラス(MEGAPTERAS)のグループです。メンバーは黒田卓也(tp)、西口明宏(ts,ss)、中林薫平(b)、柴田亮(ds)、宮川純(p,key)の5人で、2月にデビューアルバム「Full Throttle」を発売して、“若き実力派ジャズ・ミュージシャンたちの快進撃”とうたわれました。

宮川さん以外はみな大阪人。黒田、西口、中林の3人は同じ中学・高校出身で25年近くの付き合いだそうです。バークリー音楽大学留学中に西口さんと柴田さんが知り合って以来、この4人は飲み仲間で、「大体のことは酒の席で決まる」のだとか。宮川さんが加わるきっかけも、4人で飲みながら「いよいよキーボードが必要や」という話になって、柴田さんの推薦で決まったそうです。

“SPICE”のウェブサイトにあるメガプテラスのインタビュー記事によると、5人目の加入には、もちろん優れたプレイヤー、という以外に、「濃い関西のノリ」が分かる人という条件があって、宮川さんは名古屋出身で、関西でもよく演奏していたので条件をクリアできたのでしょう。「飲み会の延長で結成されたバンド」と笑言する5人ですが、飲み会のノリで演奏しているわけではありません。結成されたのは2011年で、NYのニュースクール大学出身の黒田さんはアメリカで活動しているため、帰国した時に集まって飲んでいるのは事実ですが、デビューアルバムには時間をかけてメガプテラスのサウンドを目指し、7年後の2018年にリリースしています。みんなで音を出しながらじっくり丹念に創っていこう、という姿勢が結実したアルバムです。

このバンドには5人が共有するビジョンがあります。それは、何か面白いカルチャーに出会えるようなバンド、楽しく踊れる楽曲やスタンディングの会場にもフィットするような楽曲、聞いている人たちと良い時間を共有できて「楽しかった」と思ってもらえるようなバンド、というイメージです。大阪人魂ですね。2015年のクリスマスライブでは、前座で黒田さんと西口さんが漫才をやったとか。それを「わりと本気のヤツな」とまぜ返す柴田さんのコメントは、まさに関西のノリですね。みんなが楽しむジャズを目指す頼もしいグループ、今後もますます気になります。

西口明宏さんが所属する他のバンドも、古谷淳(pf)アザーサイドカルテット、安ヵ川大樹ラージアンサンブルなど、いわば音の厚みや迫力があるグループでの活躍が目立ちます。青春時代にどっぷり浸かったビッグバンドがやはり好きなのでしょうか。

興味深く思うのは、西口さん自身のリーダーカルテットはメンバーが必ずしも固定していないことです。メンバーを長年変えないリーダーも多い中で、西口さんはその点にあまりこだわりがないようです。2010年に帰国して以来、2012年頃に結成したカルテットはハクエイ・キム(p)、安カ川大樹(b)、大村亘(ds)で、2013年にアルバム「PINGO」をリリースしています。2016年頃からはアーロン・チューライ(p)、吉峯勇二郎(b)、石若駿(ds)、現在は古谷淳(p)、Marty Holoubek(b)、吉良創太(ds)が中心です。

最初のカルテットのアルバムに付けた名前“PINGO”はラテン語で、彩る、色をつける、という意味です。アルバムのライナーノートに、西口さんは「4人のメンバーがそれぞれの色を塗り重ねながら1曲の絵を作り上げていくように、という思いを込めました」と書いています。この考えが基本になっているのでしょう。「このメンバーでなければ出せないサウンド」にこだわるのでなく、集まったメンバーが彩る曲の色合いを楽しむということでしょうか。おおらかな西口さんらしいと思います。

そんな中で、今回のハクエイさんとのデュオは長年変わらず続いています。デュオは二人だけの会話で作り上げる音楽なので特別なのでしょう。一体感のある音楽空間になると思います。どうぞご一緒にお楽しみください。
ご予約はルヴェソンヴェール(042-677-3301)にお電話をどうぞ。このサイトのメールフォームでも受け付けていますので、よろしくお願い致します。



スポンサーサイト
ハクエイさん_convert_20190228174909

ハクエイさんは京都生まれで北海道育ちだそうです。5歳でピアノを習い始めたのですが、高校でロックバンドを始めてからはロック・ミュージシャンになりたいと思ったとか。でも、両親の許可が下りそうにないと考えて、高校卒業後、とりあえず英語留学したいということで、オーストラリアに留学しました。そして、とりあえずロックやポップス専門の音楽学校に入学したのだそうです。

ところが、ある時小さなライブハウスで聞いたジャズピアニストの演奏に衝撃を受け、ジャズが精神的な音楽であることを体感して興味を持ったそうです。その人はオーストラリアを代表するピアニストで、シドニー大学音楽院(Sydney Conservatorium of Music, the University of Sydney)で教鞭を取るマイク・ノックでした。ハクエイさんはオーディションを受けてその大学に入学し、マイク・ノック氏に4年間師事しました。オーストラリアには結局11年間滞在して帰国したのは2005年でした。その年に発表したデビューアルバム「Open the Green Door」は国内だけでなく、フランスのジャズ誌「JAZZMAN」で高い評価を受けました。

ウェブではピアノの貴公子と呼ばれているハクエイ・キムさん。その風貌からして、さもありなんと思いましたが、初めてお会いした時の印象は意外でした。物腰が柔らかく、率直でありながら懐の深さを感じました。40歳そこそこで、この鷹揚さはどこからが漂ってくるのかなと思わず考えた程。その名前で分かるようにハクエイさんは韓国籍ですが、ご両親は在日韓国人二世で、母上のほうは日韓ハーフとのこと。日本で育った環境や教育、多民族多文化国家のオーストラリアでの11年間において、出自や自己の内外の異質なものを受け入れる過程で形成された個性なのかなと思いました。

BSテレビ東京の「美の巨人たち」のエンディングテーマの作曲、杉本智和(b)、大槻“KALTA”英宣(ds)と結成したトリオ「Trisonique/トライソニーク」のアルバム2作(2011年、2013年)、6年ぶりのソロアルバム「Resonance」(2018年)、2018年9月にパリのライブハウスでパーカッション奏者グザヴィエ・デサンドル・ナヴァルとのデュオを収録したアルバム「Conversations in Paris」は今年の4月に発売される予定で、ハクエイさんの活躍はますます充実しています。

2010年12月のインタビュー記事(WoW!Koreaのウェブサイト)で、音楽活動について問われた時「音楽は環境によって、自分の意志とは無関係に左右されるものだということを感じています。オーストラリアや日本に限らず、同じ曲でも響きが異なりますし、その場所の空気とか人によってさまざまな音楽ができる、それが印象的です」と答えています。音楽の捉え方が大きいですね。オリジナル曲を自分が主体で演奏していても、その場の空気、集う人など、自分の意志以外のさまざまな要素に左右されて音楽は完成されるのだという認識でしょうか。

またジャズとは、と聞かれると、人それぞれのジャズ論があると思うと断ったうえで、「僕が考えるジャズというのは、既存している曲や自作曲を題材にして、そこからアドリブを展開させていき、そのアドリブが大きな部分を占める、そういう音楽だと思います」と語っています。どちらの言葉も、ジャズの一期一会、即興性の本質が分かりやすい言葉で語られていると思いました。

今回は西口明宏さんとデュオでの演奏なので、演奏者との会話という大きな要素が加わります。もともとジャズは演奏者同士がアドリブで会話を交わしたり、刺激しあって音楽を作り上げるものですが、デュオでは、それがさらに濃密な会話になりますね。お二人のデュオは忙しい合間を縫って長年続けているとのこと、いろいろな要素に左右されながらも、この二人しか出せないサウンドが生まれるでしょう。どうぞご期待ください。

今日から3月、空気も和らいでくるだろうと心待ちにしています。
予約を開始いたします。素晴らしい音楽と美味しいお料理を楽しみにいらしてください。ご予約はルヴェソンヴェール(042-677-3301)にお電話をお願いいたします。このサイトのメールフォームでもお受けしますのでどうぞよろしく!






ピアノの美しいメロディとサックスの明るい音があふれるひと時となるでしょう。

35回ちらし_convert_20190204122146


三味線のライブは新年にふさわしい企画だと好評をいただきました。

IMG_7199_convert_20190119184647.jpg
{三味線の意外なマッチが楽しかったです。音色の違うジャズも非常に面白いです」  アンケートより

IMG_7080_convert_20190120002257.jpg
澤田邦楽さん

IMG_7075_convert_20190120002334.jpg
澤田邦風さん

IMG_7018_convert_20190120002449.jpg
澤田邦弦さん

IMG_7513_convert_20190119184555.jpg
「"A列車で行こう”に津軽三味線とジャズの可能性を見ました。面白い企画でしたね。でもやはり、津軽じょんがら節はすごかった」
「三味線のライブは初めてです。高音がとてもきれいに響いて素敵でした。津軽じょんがら節に圧倒されました」 アンケートより

IMG_7100_convert_20190119184822.jpg
IMG_7408_convert_20190119184950.jpg
「3人それぞれ音色が違い、曲によっても音が硬くなったり、柔らかくなったり表現が豊かだ。一部の津軽三味線も良かったし、二部のジャズもとても楽しかった」  アンケートより

IMG_6982_convert_20190119185046.jpg
IMG_7348_convert_20190120000851_20190120003114ccf.jpg
「ジャズに取り組んでアレンジの話など,とてもおもしろかった」
「津軽三味線の曲をジャズにアレンジするのはどうでしょう」  アンケートより

IMG_7352_convert_20190119185948_20190120003113ae9.jpg
IMG_7557_convert_20190119190034.jpg
アンコールでは邦弦さんの唄も出ました。「南部俵積み唄」

IMG_7558_convert_20190119190130.jpg
「じょんがら節が最高によかったです。アンコールの唄もすばらしい!」
「お正月にふさわしい感じでした」
「ジャズという試みを苦労してまとめていく途中という感じがしてとても楽しく聞きました」  アンケートより

IMG_7338_convert_20190119185714.jpg
邦風さんの説明に笑いのさざ波が生じ、演奏には客席から掛け声がかかったり、終始和やかな雰囲気でした。

IMGP0827_convert_20190119190515.jpg
あっという間に過ぎた午後のひとときでした。

IMGP0838_convert_20190119190218.jpg
お疲れさまでした。ありがとうございました。

次回は4月7日(日)、ハクエイ・キムさんと西口明宏さんのデュオです。
またどうぞご一緒にお楽しみくださいませ。
新年おめでとうございます。
本年が皆様にとり良いお年となりますようにお祈りいたします。
ジャズプラッツは今年も楽しい企画を考えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

新年第一弾の津軽三味線ライブの出演者をご紹介します。といっても、前回のブログで書いたように、思いがけないご縁ができただけで、懇意な方々ではないので、簡単な履歴しか紹介できませんし、私の独善的な印象も混じっているかもしれませんが、どうぞお許しを。

澤田邦風さん、澤田邦楽さん、澤田邦弦さんは三人とも澤田勝邦氏に師事して澤田流津軽三味線の名取となった兄弟弟子です。ともに澤田流の伝統的な津軽三味線の普及に取り組んでいます。それぞれに、または一緒に、演奏会、コンサート、ライブを行い、ボランティアにも熱心に取り組み、高齢者施設、病院、学校などでの演奏も続けています。ここまでは同じですが、詳細に調べると、それぞれの個性が光ります。

邦風1_convert_20190107234801

まず澤田邦風さん。
邦風さんは二足の草鞋を履いて、めいっぱい活動しています。1足は広告代理店のアートディレクター。デザインの仕事は自分の天職だと考えているそうです。三味線は仕事の傍ら30代で習い始め、40歳にして澤田流の名取となり、2足目の草鞋を履きました。が、これもライフワークとしていて、趣味などの軽い気持ちではありません。きっと、足だけでなく体も二つ欲しいと思っているのではないでしょうか。

広告業界で働くだけあって、広報はお得意、邦楽さんとのデュオ「楽風(gaku fu)」での演奏も、トークを一手に引き受けている印象でした。ホームページもブログも素敵なデザインで、邦風さんの活動の詳細が楽しく読めます。

邦楽_convert_20190107234931

澤田邦楽さんのプロフィールは「楽風」のオフィシャルサイトに掲載されているだけ。ご自身のブログもホームページも見当たりません。楽風のプロフィールによると、大久保の津軽三味線教室で講師を務めながら、コロッケ30周年記念コンサートに出演するなど、全国の様々なイベントに出演しています。伝統的な津軽三味線の普及に励む一方で、現代曲やブルースの要素を取り入れるなど、三味線の新たな可能性も追求しています。

「楽風」では邦風さんと息の合った、迫力あふれる演奏を繰り広げていますが、終始無言で、無骨で無口な方かな、という印象を受けました。が、ジャズプラッツでお会いした時の人懐こい笑顔から得た印象は、舞台の上とは違いました。きっと、舞台での進行は「あ・うん」の呼吸で役割分担が決まっているのでしょう。ライブの休憩時間に邦楽さんに話しかけてみてください。きっと楽しい話が聞けると思います。

IMG_0001_convert_20190108001435.jpg

澤田邦弦さんにいたっては、ご自身のホームページがあるものの、プロフィールは「津軽三味線、名取、澤田邦弦」と書いてあるだけ。あとは今後のスケジュールと、定期的に演奏している高円寺の居酒屋「ほんずなし」での演奏写真があるだけ。スケジュールを見ると、国際フェスティバルや非公開のボランティア演奏などを行っているようです。邦弦さんの印象は寡黙というのではなく、「語る必要なし、演奏して見せるだけ」と思っているということでしょうか。

高円寺の「ほんずなし」での演奏では熱心なファンがいるようで、邦弦さんの魅力を語る[下町亭呑み助のブログ]を見つけました。
「優しさである。柔らかさである。人柄であるのだろう。人を包みこむような音色は、それ以上語る必要のない世界がそこにある のだ。それが、津軽三味線弾き、澤田邦弦の魅力なのだろう」
さらりと書いているようで、奥の深い言葉ですね。このブログも読むと、クスリと笑えたりして楽しいです。

邦風さんのブログによると、今回のジャズの演奏のため、邦弦さんがスタンダード曲を三味線の三線譜に書き上げてくれたそうです。3人で工夫し練習して、形が出来上がったころ、ある施設でジャズのスタンダードを3曲演奏すると、思いのほか好評で、ノリノリで聞いてくれた人もいたそうです。

邦楽さん、邦弦さんの語らない良さは、邦風さんがさりげなく宣伝しながら、三人三様の良さを増幅して演奏に生かすという素晴らしい兄弟弟子たちです。ジャズ演奏の仕上がりが楽しみです。これを機会に、お年寄りの施設でもジャズナンバーを演奏して、ジャズの楽しさを伝えて下されば、大変うれしく思います

三味線の名取達が取り組むジャズライブは、いよいよ今週末に迫りました。
伝統的な津軽三味線、加えて三味線の可能性を広げるジャズ演奏、欲張りな企画をどうぞお楽しみください。
ご予約はルヴェソンヴェール(042-677-3301)にお電話をお願いします。このサイトのメールフォームからもお受けします。
お待ちしております。